中高一貫
もの言わぬ小さな命を、地域の自然を、環境を、守り続ける力
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芦田川に生息する絶滅危惧種1a類スイゲンゼニタナゴをとりまく環境保全・啓蒙活動
福山市内の河川での水生生物調査とまとめ冊子の作成
感謝祭で毎年テーマ(昨年度はハゼ類)を設定しての展示発表。
『スイゲンゼニタナゴを守る市民の会』への参加・運営補助
22人
古本 哲史
松長 直樹
工藤 雄太
福山産スイゲンゼニタナゴの域外保全開始
全国野生生物保護実績発表大会(環境庁)にて発表
ひろしま環境賞(広島県)
地域環境保全功労者表彰(環境省)
コカ・コーラ環境教育賞主催者賞(コカコーラ教育環境財団)
水環境文化賞(日本水環境学会)
ふくやま環境賞(福山市)
日本水大賞文部科学大臣賞(日本河川協会)
魚類自然史研究会で「芦田川水系 瀬戸川・論田川のハゼ科魚類について」を発表
環境省・日本鳥類保護連盟主催野生生物保護功労者表彰において長年のスイゲンゼニタナゴの保全活動に対して文部科学大臣賞を受賞した学園を代表して表彰式に参加
スイゲンゼニタナゴという魚を皆さんは知っていますか?30年前に先輩方がこの魚を工事現場から避難をさせたのがきっかけに、僕たちは地域に生息する淡水魚の調査を通じて備後地域の自然の変化を記録してきました。フィッシングウエーダーをはき、川の中から見る景色は陸の上から見るのとはまったく違い最高です。水圧が足を締め付ける感触を味わいながら、頑丈なタモ網を持って川に繰り出し行う採集調査はやみつきになる面白さです。一見幼稚な川遊びにしか見えないかもしれませんが、自然の営みを体験的に学ぶことができますよ。
僕たち環境科学研究部は、芦田川に生息する魚類の調査と絶滅危惧種Ⅰa類に指定され、種の保存法によって守られているスイゲンゼニタナゴの保護活動に参加しています。このような活動をしている学校は盈進を含めて全国に数校しかありません。「難しいことをやってそう」とよく言われますがそんなことはありません。僕たちは「誰でもできるけど誰もやらないこと」をしているだけで、難しいことは何もしていません。また、先輩・後輩の仲が良く部室からはいつも笑い声が聞こえています。「川に入るという非日常的な体験をしたい」「生き物が好き」「魚捕りがしたい」などを思っている方は是非一緒に活動しましょう。
川の中で起こっていることは、外から見ているだけではわかりません。実際に水の中を探り・確認して初めて見えてくるのです。胴長靴をはき、柄の長いタモ網で魚を捕り、一部は部室で飼育して、その魚のことをとことん調べ理解を深めます。魚に関わる取り組みを通して、身近な環境を学び、科学する基礎を目指していますが、最近はこれまで確認できていた淡水魚が次々と姿を消し、見えなくなっています。今、福山市の川で起こっていることは生き物たちの急速な衰退かもしれません。