

午後4時を過ぎると、クラブ活動や自主学習に取り組む生徒の熱気が、峠山を吹き抜ける風を織り成すようにざわめきの中から伝わってきます。
学園の生命は、それぞれ目標に向かい、日々成長する生徒一人ひとりの自立した学園生活の中にこそ、永遠に継承されていることを実感するひと時です。
盈進学園は、1904年(明治37年)盈進商業実務学校として「藤井曽太郎先生」により「実学の体得」を建学の精神として創立され、激動の時代を越え103年、広島県東部地域はもとより、近畿、東京圏に及ぶ各地域で、政財界を始め、あらゆる分野で現代社会にたくましく活躍する2万5千余名の同窓生を有する、全国でも有数の私立校であります。
かつて、柔道、剣道、駅伝、陸上競技など、多くの種目で全国制覇したスポ−ツ全盛の男子校から、男女共学、中高一貫校として、大学進学においても実績が高く評価される学園へと変貌はしましたが、今なお、私立校のことごとくが時代に淘汰され、教育環境の激変により統廃合、県立等に移管された中で、地域社会のご支援と信頼をいただき唯一校、脈々としてあり、将来を担い、地域に貢献することの出来る人材を育てる学び舎として、教職員は進化を続ける教育実践へと新たな挑戦をつづけております。
卒業生の多くは、現在なお「私学盈進の同窓生であること」に誇りと連帯、歴史と伝統の意義を思い、多感な青春を共に生きた学園での熱い思い出を共有することから、就職後、進学後の先輩、後輩のつながりはひときわ強く、他校では想像できないような「格別な絆」の中で力を合わせ飛躍しております。
2007年4月、盈進はこれまでの経験の総てを集大成し、グロ−バル化の一途をたどる国際化時代を生き抜く、総ての生徒の能力と可能性を尊重し支援するための新たな教育理念「21世紀を担う生徒一人ひとりの個性と人格を重んじ、豊かな知性と感性を備え、国際平和、環境文化を尊重する人格の形成」を銘記し、人としてのやさしさ、心の豊かさ、人の存在を評価し、感謝の念を忘れることのない「人として備えるべき基本的資質」を持つ、私学としてのみ為し得る「現代に即応した文武両道の教育の推進」を中軸に位置づけ、学力の向上、クラブ活動での人間力向上を目指した教育展開を開始いたしました。
さらに、目標を持ち盈進に入学した生徒は、経済的理由を主とする中途での転校、退学をさせない為、同窓生の寄付金による「盈進学園同窓会奨学生制度」をスタ−ト、授業料支援、在学生の家庭での不測の事態に際し諸費用を同窓会で負担、また、病気や事故により遅れた生徒の学力補充を徹底し、それぞれが目標とする実社会へ、大学へと送り届けてまいりたいと考えております。
土曜日は全生徒登校とし、特別講座、自主学習、クラブ活動などに参加。
多くのクラブは中高合同クラブとし、先輩が後輩の指導をする体制を試み、かつて名門校と言われた剣道部は、柔道部につづき早くも男女共に団体戦で中国大会出場(女子は創部以来初)、中学、高校サッカ−部は共に県東部を代表して県大会初出場ながら第3位の快挙を為し、実力を高く評価されている野球部を始め、やがては地元出身生による全国大会への道を開く役割をにない得る各クラブの継続、安定したチ−ム力をもつ学園として、地域の期待に応え、今や、再び応援部の創設を必要とする時が近づいたようであります。
今春からはスク−ルバスの運行を開始することとなりました。
府中・新市コ−ス、井原・高屋・神辺コ−ス、市内南・東コ−スから大型バス6台を配備し、生徒の登下校の安全確保、保護者の安心と経費負担の軽減、通学時間の短縮などに少しでも役立ててまいりたいと考えております。
盈進学園は、限りない可能性と将来を担う若人をしっかりと受け止め、支援することが出来る学園として「生徒にとっていかにあるべきか」を最大の選択肢としてあらゆる分野を見直し、改革から革新へと進化を続け、生徒数の激減がもたらす「私学冬の時代」と言われる只中で、関係者の英知と情熱を結集し、真の私学教育の使命と責任とは何かを問い続け、ゆっくりと確実に、一歩一歩進展をしてまいります。
どうぞ皆様のいっそうのご理解とご支援をお願い申し上げます。
2008年
盈進学園 理事長 鎌刈拓也