学校法人盈進学園 盈進中学高等学校

ホーム最新情報オバマ大統領ヒロシマ訪問 5年作原愛理さん式典招待

最新情報

オバマ大統領ヒロシマ訪問 5年作原愛理さん式典招待

2016年06月02日

5月27日(金)、世界が広島を注目した歴史的な日。
その日、本校生徒が広島を、日本を、世界を代表して、オバマ大統領の被爆地ヒロシマ訪問の式典に招待され,参加しました。
作原さんは2015年春、外務省「ユース非核特使」としてNPT(核拡散防止条約)再検討会議に際し、ニューヨーク国連本部に派遣され、核廃絶に関するスピーチを英語で行いました。その経験(実績)から今回に至ったのです。

6月1日(水)学校朝会にて、作原さんが全校生徒に語った思いを掲載して報告にかえます。

なお、作原さんがオバマ大統領にあてた英語の手紙については5月26日(木)、NHK「おはよう日本」の「ここに注目!」でも取り上げられ、全国に放送されました。(アーカイブは以下)
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/245657.html
また、広島テレビの特番には、6年橋本瀬奈さん、5年髙橋和さん、4年高橋悠太君が生出演しましました。作原さんは、式典終了後に生出演しました。さらに、5月30日夕刻、広島テレビが作原さんを中心に、本校生徒とオバマ大統領の母校・ハワイのプナホウ高校元教員ピーターソンひろみ先生(広島出身の被爆二世)との交流も含めた特集を放映しました。

s-IMG_2482
s-IMG_9103s-IMG_9314s-IMG_9394s-IMG_9451s-IMG_9459s-IMG_9483s-IMG_9946


【2016年6月1日 学校朝会】

5Cの作原愛理です。
私は今回、オバマ大統領来訪の式典に、外務省から招待され、大統領の入場、献花、スピーチ、被爆者との会話を、見て、聞く機会をいただきました。いちばん近くでは1.5メートルの距離でした。

こんな経験をさせていただいたのも、これまで71年間、被爆者や戦争経験者、またそのご家族の命がけの運動と、平和を願う多くの市民の方々の連帯、応援してくれる家族や「核廃絶!ヒロシマ・中高生による署名キャンペーン」をいっしょに行う他校の仲間、ここにいる盈進仲間たちの理解と応援があったからだと、心から感謝しています。

私は、「核廃絶は被爆者の苦しみが原点」ということばをいつも大切にしています。
これは、「ノーモア・ヒロシマ ナガサキ」を世界に訴えてきた故・森瀧市郎先生のことばです。
だから私は、オバマ大統領への手紙に、英語でこう書きました。
「被爆者の方に会い、手を握り、目を見て、被爆者の体験談を聞き、核廃絶の決意をしてほしい」
「広島県原爆被害者団体協議会・理事長の坪井直先生に会ってほしい」

大統領が最初に握手した被爆者、その人が坪井直先生です。
私の願いが私の目の前3メートルで実現していることに感動し、そのキセキに涙が出る思いでした。

私はこれからもずっと、被爆者の方々の、ヒロシマ・ナガサキの、そして世界と人類の悲願である核廃絶の運動を地道に、謙虚に続けることを決意します。

今回のことを、私は少し、冷静に見たいと思います。
核に守られた平和は本当の平和と言えないし、平和と命を脅かす核兵器と人類は共存できない、と私は考えているからです。

これから大統領訪問当日の新聞の論説を紹介します。忘れてはいけないと思った視点がありました。それをみなさんと共有して、私の報告とします。

これを書いた記者さんのお父さんは被爆者。記者さんは被爆二世です。一部を読みます。

閃光(せんこう)や爆風をまともに浴びた人たちの辛苦は、さらに大きなものだった。生きながら焼かれた人たちに至っては想像を絶する。
オバマ大統領、きょうあなたが降り立つのは、罪のない多くの市民が焼かれ、いまだ骨さえ見つからない人々の記憶の土地である。
あなたの訪問の報を聞いて、たくさんの市民の住む都市を核攻撃したことに謝罪の気持ちがないなら遠慮願いたい、と私は考えた。しかし日々掲載される市民の意見を読むにつれ、考えが少し変わった。憎しみの言葉を投げ掛けないことが広島の尊厳だと、ある読者は投稿していた。心動かされた。
ならば、この地であなたが何を語るか、それに耳傾けよう。ただし申し上げたいことはある。
まず敗色濃厚なわが国の一都市をなぜ核攻撃したのか、自問してほしい。あなたの国では、膨大な予算をつぎ込んだ新兵器を実験し、わが国の戦意をくじく「必然性」はあったのかもしれないが、広島・長崎にとっては何の必然性もなかった。
もう一つは、日米同盟の緊密さをこの地で強調することは控えてもらいたい。それは死者を悼むこととは関係がない。まして在日米軍の基地負担に長く苦しみ、今また米軍属による女性遺棄事件に憤る沖縄県民をよそに、広島からそのようなメッセージが伝わることは堪え難い。
とはいえ、やがて大統領を辞するあなたが、被爆者代表と言葉を交わした後に期待したいことは多々ある。
あなたの国では今、日本も核兵器を持て、と叫ぶような人物が大統領選で勢いづいている。
そうした逆流にあらがうオピニオンリーダーにあなたがなることを願ってやまない。 
『中国新聞』2016年5月27日 論説委員・佐田尾信作 (中学生にもわかるよう,一部改)

私も賛同します。以上です。ありがとうございました。

最新情報

TOP